テレビをつけると安室ちゃんの引退特集ばかりです。
私は安室ちゃん世代の一つ後くらいで曲はあまり知らなかったのですが、
何となく彼女が早い引退を決断したことで悲しんでいる人が多いということは分かりました
まさに安室奈美恵さんこそ、
惜しまれながら引退という言葉がぴったりです。
本当に綺麗な終わり方だと思っています。
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今、1週間の特別養護老人ホームのボランティアに参加していて、
長生きしているおじいちゃんおばあちゃんたちと話すことが多いのですが、
「惜しまれながら死にたかった」とよく耳にします。
老人ホームにいる方と会話自体は成り立つのですが、
求めている返事ができるのは5割程度の方のみです。
笑顔が素敵なおじいちゃんも、話している途中で突然
「自分みたいに長生きしても迷惑かけるだけだ」
「希望や夢を持てなくなったら人生終わりだ」
と、冗談を言っているような感じで言う人もいます。
特養で一週間ほど過ごしたのですが、
結局人間は老いることからは逃げられないということ、
老いれば肩書も社会的地位もなにもなくなってしまうということ、
かつて時間を共にした息子・孫からうっとうしく感じられることなど
色々な宿命を肌で感じました。
そしてこれは順番なので、私もこの時が来るわけです。
なかなか受け入れがたいことなのですが、
老いるのは宿命なんですね。
今のうちから、どんな人生を送りたいのか、
自分の基準や目標は定めておくべきだと思いました。
また、あるおばあちゃんは仏教に精通していて、
色々な死生観について教えてくれました。
91歳のおばあちゃんが目の前で死を語るのは説得力が違います。
その中の一つで、
「人生は今日という1日の積み重ね。だから今日一日頑張ればいい。」
という言葉がありました。
そのおばあちゃんとはちょうど70歳差なのですが、
70年の間に起こった戦争や戦後、バブル、平成を体験しています。
90年も時がたつのは早かったけど、1日1日の積み重ねだったと思える。
これからは先の事も前のことも考えずに今日一日でやれることを周りにしてあげている。
と、言っていました。
その91歳のおばあちゃんは元気に一人で歩くし、しゃべるし、本も読みます。
元陸上選手だったそうです。
周りの元気がないおばあちゃんにおしゃべりして励ましてあげています。
こんなおばあちゃんになりたいな。
と、なんとなく思いました。
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人生で何を目標にするのかは人それぞれですが、
「惜しまれる人生」を送るには人に与えるというのが一つのキーワードになると思います。
安室奈美恵さんはファンの方々に感動を与え続けて、
もっと聞きたいという一種の物足りなさをファンに残して引退しました。
欲張らないこと、も重要ですね。
周りに感動や感謝を与え続け、その人にとって必要な存在になればなるほど、
あなたの人生は惜しまれることになります。
そのためにも、1日1日を周りへの愛と感謝であふれる日にしたいですね。